MP6540を使用したブラシレスDCモータ・ドライバの設計

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高度な統合

MP6540は、従来のモータ・ドライバのアーキテクチャの欠点に対応します。MP6540は、最大35Vの電源電圧で動作し、100%のデューティサイクルでの動作をサポートします。これは、低オン抵抗、統合された双方向電流検出アンプ、故障表示出力などの機能を提供します。その6つの統合MOSFETとそれらに対応するドライバはすべて、小さなQFN-26 (5mm x 5mm) パッケージに収まります。

統合された電流検出回路により、各ブリッジのアームにあるローサイドMOSFETの双方向電流測定が可能になります。これにより、外部電流検出回路に伴うサイズとコストの問題が解消されます。その他の機能には、過熱保護 (OTP)、低電圧誤動作防止機能 (UVLO)、およびサーマルシャットダウンが含まれます。図1は、MP6540の機能ブロック図を示します。

図1: MP6540機能ブロック図

優れた放熱性

図2に、MP6540用の2層の熱試験PCBを示します。このPCBは2.5cm x 2.5cmで、銅の厚さが1oz、銅の面積は6.25cm²です。基板サイズは、さまざまな熱的要件に対応するように調整できます。

図2: 熱試験チップ

120°の矩形波駆動制御を使用する一般的な条件下での熱試験の結果は、MP6540の優れた放熱性を示しています。図3は、13Vの入力電圧 (V_IN) と1.4Aの出力電流 (I_OUT) で8°Cの温度上昇を示しています。

図3: 8°Cの温度上昇 (13V V_IN、1.4A I_OUT)

図4は、24VのV_INと4A I_OUTで、41°Cの温度上昇を示しています。これは、V_INとI_OUTによって温度上昇が起きることを示しています。

図4: 41°Cの温度上昇 (24V V_IN、4A I_OUT)

MP6540シリーズ

優れた熱性能により、MP6540およびその関連部品は、多くの3相BLDCドライバのアプリケーションで使用できます。

MP6540とMP6540Aは、1秒間に最大10Aのピーク電流、または3Aの連続電流を供給できます。MP6540HとMP6540HAは、6Aのピーク電流または5Aの連続電流を供給できます。さらに、MP6540AとMP6540HA は、独立したハイサイド (HS) 入力とローサイド (LS) 入力を備えています。

表1は、製品シリーズMP6540の比較を示します。製品間の主な違いは、V_IN範囲、I_OUT、および入力ロジック信号にあります。

表1: MP6540シリーズ製品の比較

高速電流検出

すべてのMP6540シリーズ製品には、リアルタイムで正確な電流測定、制御、モータ保護を提供する電流測定機能が搭載されています。

図5は、MP6540Hの内部電流検出回路を示します。出力は外部抵抗 (R_TERM) と基準電圧 (V_REF) で設定できます。2つの同じ値の抵抗がADC電源とグランドに接続され、出力が終端されます。

図5: MP6540H 内部電流検出回路

図6は、電流測定回路 (CH3: SOB) の出力が実際のI_OUTの変化に追従する測定波形を示しています。これにより、外部電流測定回路に必要なコストとスペースが不要になり、より小さく、よりシンプルで、より費用対効果の高いモータ・ドライバのソリューションになります。

図6: 電流検出出力 (CH3: SOB) と実際の電流 (CH4: I_OUT)

結論

本稿では、MP6540A, MP6540Hを含むMP6540HAを含むMP6540シリーズを評価しました。メリットとして、高い統合、優れた放熱性、適応性、および高速電流測定が含まれますが、これらに限定されません。

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