MagAlpha MAQ430とMAQ470の紹介: 12 ビット、車載グレードの磁気角度センサ

Dave Baker、センサ事業部、MPS

車両が運転者を支援する技術やシステムを統合するにつれて、車両の角度、運動や回転の測定がますます重要になっています。ユーザーインタフェースの数を簡素化するために、多くの車両システムオプションは、単一のロータリノブセレクタを介して制御可能になりました。同時に、シート位置、ドア閉鎖、テールゲート機構など、以前の多くの手動機能が電動化されており、モータの回転、位置、速度の制御が必要です。どちらのアプリケーション領域でも、磁気角度センサは、角度、回転位置、または速度を測定するための信頼性が高く非接触な方法を提供します。本稿では、MPSの車載グレード角度センサ MagAlpha MAQ470およびMAQ430をそのようなシステムで使用する方法について説明します。

エンタテインメント、通信、ナビゲーション、エンジンシステムの電子制御を運転者に提供することで車両がますます洗練されるにつれて、キャビンをすっきりと保ち、運転者の気を散らさないように、ユーザーインタフェースを簡素化する必要があります。一般的に、社内の複数のシステムをひとつのディスプレイパネルのメニューを介して画面をスクロールしオプションを選択するための、単一で集約された、回転式の制御に行きつきます。このインタフェースは車両を運転するたびに使用されるため、長い動作寿命を保証する信頼性の高いソリューションが必要です。機械的またはポテンショメータベースのロータリスイッチは、早期故障の原因となる湿気や汚れの侵入などの環境要因による機械的摩耗および損傷の影響を受けます。磁気角度センサは非接触であるため、回転位置検出を実装する信頼性の高い方法を提供します。また、セレクションノブを押したり持ち上げたりしたときの磁界強度の変化を測定することで、機械式プッシュボタンを置き換えることができます。

一部の新しい高度なユーザーインタフェースは、選択した特定の機能に応じて、ノブを介して触覚フィードバックを提供します。たとえば、電話インタフェースモードでは、0~9の数字の選択は、10個の固定ノブの刻みに電気的に変換されます。オーディオボリュームコントロールモードでは、回転時に滑らかなラチェットの印象を与えるために、多くの小さなくぼみが生成されます。このような触覚システムは、セレクタノブにリンクされたモータまたはソレノイドコイルを使用して、ステップ間の機械的なしきい値に変化します。くぼみの数とユーザーにフィードバックされる触覚フィードバックを制御するために、選択された機能と合わせて角度センサと回転速度計測が必要になります。

MAQ470は、角度位置情報を読み取り、回転速度または方向を検出するための便利なインタフェースをいくつか提供します (図1を参照)。絶対回転角度情報は、12ビット (3シグマ) 精度のSPI / SSIまたはPWMインタフェースを介して出力されます。PWM信号は、ポテンショメータベースのシステムを模倣するために、アナログ電圧に外部からさらにフィルタリングすることができます。また、プログラム可能なパルスカウントを備えたABZ直交インクリメンタルエンコーダインタフェースも用意されています。これは、速度と回転方向の情報を提供するために使用できます。これは、メニュー表示をスクロールしたり、オーディオボリュームコントロール機能を調整したりするのに便利です。8つのプログラム可能な磁界スレッショルドにより、磁石とセンサの間の距離の変化を検出できるため、非接触プッシュボタンを使用して選択した機能を選択できます (図2を参照)。MAQ470は、30~150mTの広い磁場範囲で動作できます。8つのスレッショルドは、おおよそ15mTステップでプログラム可能です。

Figure 1: MAQ470 Magnetic Angle Sensor Block Diagram

図1: MAQ470 磁気角度センサのブロック図

Figure 2: Rotary Knob with Push Button Example

図2: プッシュボタン付きロータリノブの例

電気モータの使用は、ドライブトレインの性能と効率を向上させ、以前の手動機能 (シート位置制御、エアコンのミックス設定、ポップアウトドアハンドル、およびドア閉鎖、ルーフキャノピー、テールゲートの補助機構など電動補助機能) を自動化することにより、運転者の利便性と快適性の向上を実現するために、車両内で増加しています (図3を参照)。SUVなど大型車の人気により、ドアやテールゲートはそのサイズと重量から電動化されるのが一般的です。ドアやテールゲートが完全に開いているか閉まっているかを感知するのに加え、システムは運転手の手のような障害物が挟まっていないかを感知し、その場合素早くシステムをオフにするか、モータドライブを逆回転して負傷を回避するという安全要件もあります。これには、モータの回転速度の変化を迅速にフィードバックする必要があります。MAQ430などのセンサは、この点で2つの機能を提供できます。まず、絶対角度、速度、方向、回転数をSPI / SSIバスまたはABZインクリメンタルエンコーダ・インタフェースで監視できます (図4を参照)。次に、ブラシレスモータシステムの場合、MAQ430センサは、従来の3ホールセンサ、UVW交換信号をエミュレートし、モータ・ドライバに各位相巻線をいつ通電させるかを通知します。MAQ430センサを追加すると、モータは完全にブラシレスサーボ実装になります。このような車載モータは、コンパクトブラシレスアクチュエータ (CBA) と呼ばれることもあります。

Figure 3a: Motorized and Automated Controls Figure 3b: Motorized and Automated Controls Figure 3c: Motorized and Automated Controls

図3: 電動および自動制御

Figure 4: MAQ430 Magnetic Angle Sensor Block Diagram

図4: MAQ430 磁気角度センサのブロック図

このようなアクチュエータの設計では、車両の重量を最小限に抑え、メカニズムの厳しい機械的制約内に収まるために、サイズはしばしば重要な要素です。MAQ470またはMAQ430は、小型のQFN (3mm x 3mm) パッケージで入手でき、一般的なディスクマグネットのサイズはシャフト端部トポロジーでは直径3mm × 高さ2mmしかないため、これらのソリューションはコンパクトでコスト効率に優れています。

これらのセンサの有用な特徴は、磁石とセンサの位置のいくつかのトポロジーで動作できることです。MAQ470とMAQ430は、通常の軸端磁石位置に加えて、2種類のサイドシャフト構成にも対応しています (図5参照)。

Figure 5: MAQ430/470 Magnetic Angle Sensor Magnet-Sensing Topologies

図5: MAQ430 / 470 磁気角度センサ 磁気センシングトポロジー

サイドシャフト構成は、機械的オプションの選択肢を増やし、よりコンパクトな設計を可能にします。安全のために冗長性を必要とするシステムでは、サイドシャフトモードにより、磁石軸の周りの90°または180°の位置で2つのセンサの位置決めが可能です。

絶対位置が不要なアプリケーションでは、多極リング磁石を使用してセンサの有効分解能を上げることができます。センサは、リング上の磁極ペアごとに360°の磁気回転を検出します。たとえば、モータ転流アプリケーションでは、リング上の極の数をロータの極数に合わせることができます。センサはプログラム可能なオフセットを保存できるため、モータ製造時にセンサの磁極をロータ極に合わせることができます。

MAQ470およびMAQ430磁気角度センサはいずれもAEC-Q100 グレード1に適合し、-40~+125℃の動作範囲で、上述の代表的な車室内および車体システムの要件を満たしています。これらのICは、3mm x 3mm、16ピン、プラスチック、ウエッタブルフランクQFNの小型パッケージで、製造はんだ接合検査に対応しています。

MagAlpha MAQ470およびMAQ430センサは、車載システムの角度、位置、速度を測定する信頼性の高い非接触の方法を提供します。コンパクトなサイズ、複数の角度出力フォーマット、および柔軟な磁石位置トポロジーにより、コスト効率の高い角度センサおよびアクチュエータの実装が容易になります。

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